最初に今回登場る専門用語について簡単に説明しておきます。
TRPG(テーブルトークロールプレイング)とは?
ゲーム機などのコンピュータを使わずに、紙や鉛筆、サイコロなどの道具を用いて、人間同士の会話とルールブックに記載されたルールに従って遊ぶ“対話型”のロールプレイングゲーム
文章引用元:wikipediaゲームマスター(GM)とは
テーブルトークRPG(TRPG)における、ゲームの進行を取り仕切る人物のこと。
文章引用元:wikipediaリプレイとは
主にテーブルトークRPG (TRPG) などのゲームを実際に遊び、その経緯をなんらかの媒体に記録したものである。
文章引用元:wikipedia
「TRPG興味あるけど敷居が高そう。」
「ゲームマスターってできるものなの?」
「TRPGで遊んでみたい!」
ニコニコやyoutubeの動画で「TRPG」に興味持った方は多いのではないでしょうか?
特に「クトゥルフ神話」はその中でも有名です。
私もリプレイ動画を見て「こんなに自由にみんなでゲームできるの?」と衝撃を受けました。
動画を見ているうちに「自分も遊んでみたい!」と思い、参加できる場所を探してみましたがほとんどなく、見つけてもまったくの初心者が参加してよいのか分からず諦めていました。
であれば「自分でやってみよう!」とゼロから準備をしてゲームを開催してみました。
結構参加メンバーの反響もよかったのでそこで学んだことをまとめて紹介します。
TRPGの魅力
まずは魅力についてですが、何といってもなんでも自由にできる「その場の柔軟性」ですね。
判断はすべてゲームマスター。例えば「宿屋のおやじと戦闘」したり、「モンスターを口説いたり」ゲームマスターが認めれば何でもありの世界です。
プレイヤーの行動とゲームマスターの判断で世界に一つしかない新しいストーリーがつくられます。
TRPG全体の流れ
今回プレイしたのは「ソード・ワールド2.0(以下SW2.0と記載)」です。
ソード・ワールド2.0とは
『ソード・ワールド2.0』は、3本の剣が生み出した世界“ラクシア”を仲間と共に冒険するゲームだ。蛮族との全面戦争にかろうじて人類が勝利し、復興への道を歩む時代で、古代文明の遺跡探索や危険な蛮族との戦いなど様々なミッションに挑む“冒険者”となり、自分だけの冒険の物語を体験しよう。
文章引用元:amazon
国産でもっとも有名なTRPGということでガイドブックを購入してみました。
「クトゥルフ神話 TRPG」に挑戦してみたかったのですが、ガイドブックのボリュームの多さに断念。もう少し成長してから挑戦予定です。
様々な世界観やルールがあるのですが、TPRG基本の流れてとしてこちらの4ステップになります。
- 世界観の共有
- キャラクター作成
- ストーリーをプレイ
- 振り返り
1.世界観の共有
「ファンタジーの異世界」だったり「恐怖の世界」だったり、どんな非現実の世界に行くのかゲームマスターよりプレイヤーに共有します。場所は動きませんが、気持ちはその世界に入ってもらいます。
一枚絵でもいいのでイメージできるイラストなどあると分かりやすいです。
2.キャラクター作成
さきほど共有した異世界で演じるキャラクターを作成します。
例えば「SW2.0」であればこちらの6項目を決めていきます。
- 個人情報
- 種族
- 生まれ
- 技能
- 能力値
- 武器/防具とアイテム
時間はかかりますが、個性あるオリジナルキャラクターが出来てくるのは楽しいです。
ただ、慣れてないと軽く1時間ぐらいかかってしまうので、TRPG初めてのメンバーで遊ぶ場合はガイドブックに掲載されている「サンプルキャラクター」から選んでもらうのをオススメします。作成必要な項目はすべて準備されているのですぐにストーリーに入れます。
そしてTRPGの魅力の一つ「キャラクターの過去経歴」も考えておきましょう。
「子供の頃殺された両親の仇を探して旅している」のような経歴をキャラクターごとに準備しておくとストーリー内思わぬとことでで伏線回収できる楽しみもあります。
3.ストーリーをプレイ
さあ、参加メンバーのプレイヤー設定が決定したら、ついにストーリーが進みます。
ファンタジー系TRPGの基本の流れはこちらの3ステップになります。
- はじまり
- ダンジョン(探索→戦闘→獲得)
- おわり
はじまり
最初の場面です。ゲームマスターがプレイヤーたちの置かれている状況を詳しく説明します。そうしないとプレイヤーたちは何をアクションすればよいか分かりません。
例えば「プレイヤーたちが情報収集のために集まる酒場があります。プレイヤーたちはみんなお金がなく仕事探しに飢えておりその酒場に入り浸っています。」
ダンジョン(探索→戦闘→獲得)
「ダンジョン内を調べてアイテムを見つける」「現れたモンスターたちと戦闘」などTRPGのメインとなるわくわくするところです。プレイヤーたちは自由に行動するのでゲームマスターの柔軟性が必要となります。プレイヤーの行動が「成功か失敗か」はすべて振ったダイスの目によって決まります。
プレイヤー行動判定はすべて「振ったダイスの目」で確定されます。プレイヤーの能力値によって判定基準も変わってきます。TRPGの種類によって異なりますが戦闘はやや複雑です。登場するプレイヤーの能力とアイテムで何ができるのかはしっかり把握しておきましょう。
おわり
今回の冒険で獲得した経験値でキャラクターを成長させたり獲得したアイテムをお金に換えたり成果の清算を行います。
BadエンディングになるかHappyエンディングになるかはみんなの行動とダイスの目次第です。
4.振り返り
ダンジョン終了後は現実世界に戻ってきましょう。
「あの時はこうするとどうなってた?」などゲームマスターと一緒に終わったストーリーを振り返ってみると楽しさが増します。
ゲームマスターをやってみて苦労した点
イベントを開催するまで準備に時間がかかります。
初めてのゲームマスターを経験して大変だったことをまとめてみました。
ガイドブックを把握する
最初の山場ですね。今回は「SW2.0」なので把握する量も少なく初心者向けだったのでまだ良いですが、「クトゥルフ神話」はこれで一時断念しました。
注文で届いたガイドブックが辞書のように分厚くそっと本棚に眠らせています。
あくまでガイドブックなので全部把握する必要はありません。「アイテム一覧はこのへんだったなぁ」という感じで読み返せれば問題ないです。
ただ、ロールプレイング中に何度もガイドブックで情報を探していると場が盛り下がる可能性が高いので、よく出てくる箇所だけは印刷するもしくはガイドブックに印をつけておくなどしてすぐ見つけられるように工夫しておくと良いです。
参加プレイヤー用にデータを印刷する
参加メンバーみんながガイドブックを持っていれば良いですが、初心者しかもこちらから呼んでいる手前「ガイドブック購入して読んでおいて」とはなかなか言えないです。
そうするとこちらで必要なページのみ印刷して参加メンバー分を準備しておくほうが進行が非常にスムーズです。
ただ、今回購入したガイドブックは文庫本ということもあり文字が小さく印刷し辛かったです。
しかもネットでPDFデータなど転がっていないか探してみましたがほとんど見つかりませんでした。
臨場感を出す
ここは必須ではないですが、臨場感があるとみんなのテンションも上がり世界に入りやすくなります。施策として下記3点を準備しました。
- 世界観が伝わる写真やイラスト
- 場面ごとに変わるBGM
- ダンジョンマップ
1.世界観が伝わる写真やイラスト
ネット上の無料素材を中心に世界観の近いものを探しました。
あとはパワーポイントにはりつけて場面ごとにスライドできるようにしています。
2.場面ごとに変わるBGM
ここも同様にネット上にある無料BGM集より探してみました。
ダンジョン、戦闘、村などに合わせたBGMが作られているので探しやすかったです。
3.ダンジョンマップ
今回は遺跡探索が主なシナリオになります。
遺跡の地図をパワーポイントの図形機能で簡易的に作成しました。
また進む道によって地図が出現する演出として地図上を黒いレイヤーで覆いかぶせるなどの工夫も試してみました。
キャラクターを演じる
プレイヤーはもちろんですが、ゲームマスターもストーリーによってはノンプレイヤーキャラクター(酒場の店主や村人など)を演じなければなりません。
「こいつは驚いた!みんな新入りなのかい?」といきなりセリフ口調にするのに抵抗はかなりありましたが、ゲームマスターが演じないと他のプレイヤーも演じづらくなるのでここは勢いが必要です。
戦闘中の計算
通常攻撃なら「(攻撃)-(防御)=(ダメージ)」とシンプルなのですが、状況によってダメージが加算されたり減算されたりと覚えることも増え、たまに忘れたりします。
できるだけプレイヤーに自分の状況を覚えてもらい計算をしてもらえると楽になりますが、ゲームマスターが把握できているのがベストですね。
特にかけられ魔法などの効果が切れるタイミングは忘れがちです。
参加メンバーを集める
これが結構大変です。
まずTRPG自体の認知が低いのでまわりに知ってる人が少ないです。
友達を誘えるのならば一番早いですが、モチベーションの違いでなかなか継続して遊ぶのは難しいです。
結構ハードルは高くなりますが、自分でイベントを立ち上げてみるのも方法としあります。
インターネット上で様々なサービスがあるので、利用してみると良いでしょう。
サービスについてはこちらのページを参考になります。
集まったメンバーでTRPGグループなどできると次回以降募集が楽になります。
TRPG初心者はここから遊んでみよう
TRPG入門に最適なオススメのボードゲームがありますので紹介します。いきなりTRPGをはじめる前にまずはここら辺から慣れていくのもオススメです。
キャット&チョコレート
キャット&チョコレート 日常編 (Cat&chocolate) カードゲーム
売り上げランキング: 92
突如発生した問題に手持ちのアイテムのみで解決する「アドリブストーリー作成ゲーム」。
TRPGもアドリブでストーリーが進むことが多いので、入門として最適です。
今回紹介しているのは「日常編」ですが他にも「幽霊屋敷編」「学園編」とあり世界観がまったく変わるのも面白いです。
のびのびTRPG ザ・ホラー
売り上げランキング: 189
TRPG入門用のボードゲームです。
シナリオが進むたびに「ゲームマスター役」と「プレイヤー役」が入れ替わりみんながゲームマスターを体験することが出来ます。TRPGの練習にもってこいです。
片道勇者TRPG
KADOKAWA/富士見書房 (2016-06-18)
売り上げランキング: 98,753
ボードゲームではなくガイドブックになるのですが、TRPG入門として非常に分かりやすいです。
ガイドブックに従いすぐにでもTRPGを遊ぶこともできます。
ソード・ワールド2.0ルールブックI
ソード・ワールド2.0ルールブックI 改訂版 (富士見ドラゴンブック)
KADOKAWA/富士見書房 (2012-07-20)
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今回プレイしたガイドブックです。
日本でもっとも売れているTRPGガイドブックです。
プレイしている人も多くネット上にリプレイ動画や素材など多く公開されているので参考にしやすいです。
ソード・ワールド2.0初心者向けの記事もご参考下さい。
クトゥルフ神話 TRPG
KADOKAWA/エンターブレイン
売り上げランキング: 247
そしてこちらが人気のクトゥルフ神話のルールブックです。
ある程度TRPGに慣れるまでは手を出さなくても良いかと思いますが、買って置くとTRPGのやる気が増します。
まとめ
TRPGは非現実な世界が味わえて楽しいです。
ゲーム終了後「はっ!」と現実世界に戻る感じです。
初心者向けのTRPGイベントがあれば参加してみると雰囲気がつかめてよいと思います。
ゲームマスターに興味がある場合はリプレイ動画をたくさん見ることをオススメします。
見るだけでも楽しですが、ゲームマスターの対応方法も意識するとより楽しくなりますよ。
あ、ひょっとして魔法使えたり必殺技があったりしますか?
以前地元のケーブルテレビでも歌を披露していました。
今回のテーマは「TRPG初心者がゲームマスターしてみた」です。